僕の好きな彼女は誰かのもの

彼女との出会いは某SNSアプリ。

久しく彼女がいなかった僕は女の子との出会いが目的でそのアプリを使っていた。彼女は「暇つぶしになる」と友達に勧められてこのアプリを始めたそうだ。

始めはただの友達だった。いや、それ以下だった。メッセージのやりとりは僕から送らないと向こうから来ることなんてなかったし、彼女の返信はいつも遅かった。朝送ったメッセージに対する返信が夜に返ってくることがほぼ当たり前だったし、翌日まで返ってこない事もよくあった。それに、返ってきても素っ気ない返事だった。

SNSでのメッセージやりとりだから、僕と会話している時の彼女の顔は見えない。でも、ハッキリと伝わってくる。彼女の気だるげに僕に返信をしている様子が。それぐらい素っ気のない文章ばかりだった。

だが、メッセージを重ねて行くに連れて少しずつ、少しずつ彼女が自分に心を開いてくれるようになってくれているのを感じた。

キッカケは趣味が偶然一緒だったこと。2人ともヒトカラ(1人カラオケ)が好きだった。2人とも1人でいることが好きなのだ。そして当時に人間嫌い。そこから徐々に2人の心の距離は近くていって、いろんなことを話し合った。家族構成や職業、育ってきた環境など様々なことを。

彼女は人妻だった。しかし、それを知った時には僕はもう彼女のことを好きになっていた。会ったこともない彼女のことを。

「 会いたい」そう思った。

「うん、私も会いたい」僕の思いを告げた彼女からの返事はすごく嬉しかった。早速日程を決めてお互いの都合のいい日に会うことになった。

当日、都内某所で待っていると華奢な体をした綺麗な女性がこっちに向かって歩いてくるのが見えた。彼女だ。初めて会うのにも関わらず、すぐにわかった。

緊張していた僕はなんて声を掛けたのか覚えていない。でも、僕が声を掛かると真っ白な歯を見せて笑って応えてくれたのだけは覚えてる。そこから食事をして、お酒も飲んだ。

帰りたくない。ずっと彼女といたい。直接言葉にしなくても彼女も同じことを思ってくれていることが伝わってくる。

不倫でも関係ない。僕は彼女が好きだ。どんな形でもいいから一緒にいたい。

2人の男女が仲良くなれば、そこには決して「友情」なんてものは生まれない。「恋」しか生まれない。

気づくと2人はホテルの前にいた。

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